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超能力を持つ学生たちの青春を描くWeb小説『プラスチャイルド』のSSや設定などを公開しています。
制作:textscape

2013/03/01

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スターティングコールとは

 超能力者という言葉を聞いたとき、あなたは何を思いますか?

 この質問を2013年以前に問われれば、様々な答えがかえってきただろう。超能力者を自称するマジシャンや混同されがちな催眠術、霊能力者を思い浮かべるかもしれない、もしくは小説、映画、ビデオゲームの登場人物といったキャラクターの名を答える者もいたかもしれない。

 だが、現在「超能力者という言葉を聞いたとき、あなたは何を思いますか?」と質問されれば、そのほとんどは「ヴァリエンティア」と答えるだろう。

 そう、あの子達のことだ。2013年4月1日、突如、超能力者となってしまった世界中の子供達・ヴァリエンティア。

 念動力、透視能力、空中浮遊、火炎制御、身体強化、高速移動、予知能力、治癒能力、変身、その他、考えうるありとあらゆる能力を得た子供達は、紛れもなく「超能力者」だ。

 原因の究明はされていないが、それが世界規模のテレパシー事故によって引き起こされたのは、誰もが知っている。あるテレパシー能力者が命と引き替えに世界中に放ったメッセージ。

 あの日、あの時、「彼」の声を、私達は聞いた。

 そして世界中の胎児から2歳児までが、超能力者となってしまう。

 こんなことが起こりうるなど、誰も予想などできなかった。いや、誰ひとり夢にも思っていなかっただろう。

 後に『スターティングコール』と呼ばれるそれは、あまりにも突然やってきた。

 その後の混乱は読者であるみなさんもよくご存じだろう。超能力を得た子供達に、どう対処するべきなのか、充分に話し合う時間すらなく、我々は様々な決断を下さなければならなかった。

 超能力研究、多発する超能力事故、高度政令都市、アクアリウム社……数え切れないほどの決断を、我々は極限られた短い期間で迫られた。

 そして現在にいたる。あれが混乱というのであれば、その混乱は今も続いている。我々、人類はその渦中にあるのだ。


──エレヴァン・アダムス著『ヴァリエンティア』序章からの抜粋

作:昌和ロビンソン