2014年にアメリカ合衆国で学園都市設立法案が可決されると、ほぼ同時期に、日本で高度政令都市法案が受理された。日本とアメリカはかなり早い段階から超能力研究で足並みを揃えている。
その年にカリフォルニア条約が二国間で受諾され、名実共に協力関係になったのは当然だった。
沖縄の高度政令都市・結波市は日米の協力関係を象徴している。
カリフォルニア条約を元に作られた日米都市運営規約には、結波市は自治区であり、日本でもアメリカでもないが両国の意向を強く反映した運営を行うことを定めている(それに伴い、アメリカは結波高度政令都市の建設にあたり多額の資金提供、技術協力をしている。また設立にあたって当初からアクアリウム社を起用し、驚くべき成果を出したことはあまり知られていない)。
これは両国が超能力研究を進める上で、早急に法的な自治区を欲したことが理由なのだろう。当時、超能力研究を行うためには、その都度様々な制約をクリアしなければならなかった(2025年にヴァリエンティア条例ができるまでは、高レベル能力に関する測定を行うためにわざわざ役所などに届けを出さなければならなかった)。
法的な自治区であれば、そういった煩わしい制約に悩まされずに済む。
この様な経緯で建てられた結波市は、アメリカから多くの研究者と「留学生」の名目で多数のヴァリエンティアが集う都市となり、超能力研究が盛んになった(そして超能力研究が盛んであるということは、研究者にとって環境が良い場所だということになる。環境が良ければ各国から研究者は集まってくる)。
その後、結波市が日本における超能力研究の中心地となったのは当然と言えば当然だろう。
──猪瀬忠明著『高度政令都市構想』より抜粋
作:昌和ロビンソン
作:昌和ロビンソン