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超能力を持つ学生たちの青春を描くWeb小説『プラスチャイルド』のSSや設定などを公開しています。
制作:textscape

2013/08/30

tips028
執行部特別機動隊

 『特機』の名でも呼ばれる『執行部特別機動隊』は、その名のイメージからかけ離れた部隊だ。この部隊の名称に「執行部」や「機動隊」という言葉を使うことは詐欺に近い。

 そもそも、特機は生徒会に所属していない。

 ほとんどの人が、勘違いしているようだが、生徒会の組織図に「執行部特別機動隊」の名はどこにもない。その事実は、生徒会の公式サイトでも確認できる。

* では、特機とはどんな部隊なのか?

 執行部特別機動隊が所属しているのは、特別指令本部という組織だ。これは生徒会から完全に独立した組織として存在している。しかし、その実体はほとんど業務を行わない形だけの部署だ。
 そうなると、特機はまったく機能していない上層部の下で運営されている部隊ということになる。もちろん、特機も同様に任務と呼べるような業務を行っていない。
 生徒会執行部の機動隊のように『違反者を捕まえる』といった任務は、微塵も行っていないのだ。

* 特機の存在理由とは?

 結波市には、40万人を越えるヴァリエンティアが集められている。
 その中には、財界や政界といったところの有力者を親に持つ子供もいることを、まずは頭に入れておいてほしい。

 そこで生徒会という組織が結成され、機動隊が設立する。
 その業務内容から、生徒会には高レベル能力者でなければ入会することはできない。また、機動隊は治安維持を目的としている。

 ヴァリエンティアを子供に持つ有力者たちは、この生徒会をどう考えたのだろうか?

「生徒会に所属していたことは、その後の評価につながる」
「だが、危険性のある任務を自分の子供が行うなど、とんでもない」
「そもそも、自分の子供は高レベル能力者ではない」

 私はこの説明をする度に、バカバカしいという気持ちでいっぱいになる。

 有力者たちは、生徒会のような組織に我が子が所属していれば、その後、就職や進学などに有利に働くと感じたのだ。そして「実際には取り締まりを行わない機動隊」を作り、自分たちの子供を所属させようと考える。

 こうして、特別指令本部と執行部特別機動隊は設立した。このような経緯で設立した特機には、運営規約23項を適用できないため、高都自警の運営規約3項を適用するという強引なことまで行った(これにより、まったく取り締まりを行わない特機が、事実上、生徒会よりも大きな権限を持つという、信じられないような状態におちいっている)。

 さらに、多くの有力者の子供が所属している特機には、国からの援助金だけではなく、彼らの親たちから会員費が支払われている。正確な数字はわからないが、無駄に浪費されているであろうこの資金は、非常に莫大な金額になると予想されている。

 これが特機の実状だ。
 こんな、くだらない理由で特機は存在しているのだ。
 ただちに、解散させるべきだろう!


──著者不明『告発文』より抜粋

作:昌和ロビンソン