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超能力を持つ学生たちの青春を描くWeb小説『プラスチャイルド』のSSや設定などを公開しています。
制作:textscape

2013/03/21

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ヴァリエンティア

ヴァリエンティア【Variantia】

 ヴァリエンティアとは、スターティングコールにより、超能力を身につけた子どもたちのことだ。

 彼らの超能力が、テレパシー、サイコメトリー、予知能力、透視能力、念動力、発火能力、飛行能力、治癒能力、身体強化、変身など、多彩なバリエーションを持つことから、この名称がつけられた。

 超能力研究には、以前からESP能力者やPK能力者といった呼び名があるが、ヴァリエンティア研究の分野では彼らとヴァリエンティアは明確な区別がなされている。

 新たな名称がつけられた由来は諸説あるが、ヴァリエンティア研究者が、超能力者とヴァリエンティアを区別したかったからだろう。

 これは、スターティングコールから間もない時期に書かれた文献にも明記されているし、今でも、混同してはいけない、と主張しているヴァリエンティア研究者も多い。

 超能力と科学の間には、長年にわたる大きな確執がある。1900年代から超能力を研究する、超心理学などの分野はあるが、科学と呼べるような代物ではなく、曖昧でオカルトめいたものばかりだった。中には明らかに、トリックを使って騙す、超心理学信者たちまでいた。

 だが、ヴァリエンティアの超能力は違う。再現性を持ち、客観的な観測に基づく実証が可能だった。つまり、倫理的な研究を行える現象だったのだ。

 またフィクションとしての超能力もある。小説やマンガ、アニメ、テレビゲームなどに出てくる超能力は、ヴァリエンティアの多彩な超能力に似ているが、それらを混同した状態で研究にあたるのは避けなければならない。

 純然たる科学者であったヴァリエンティア研究者が、それまでの超能力と、新たに生まれたヴァリエンティアの超能力が混同されることを避けようとしたのは自然な考えだろう。

 それまで、超能力、に対して否定的だった彼らが、超能力、を肯定するのだ。この二つの超能力は、明確に区別するべきだった。

 そんな経緯を持つ、ヴァリエンティア、という名称だが、2025年の現在、「超能力者」や「能力者」そして「ヴァリエンティア」は、ほとんど同じ意味で使われている。

 さらにヴァリエンティアという名称を使うのは、研究者が正式な文書を作成する時などで、日常的に使われるのは、超能力者、または、能力者、だ。

 同じく、ヴァリエンティア研究(研究者)も、超能力研究(研究者)、能力研究(研究者)と呼ぶのが一般的になっている。

 高度政令都市など、ヴァリエンティアの存在が一般的な場所になると、学生、や、生徒、という名称で呼ばれることが多くなる。

 また高度政令都市では、オーバーポイント能力者とアンダーポイント能力者を区別するため、オーバーポイント能力者を、能力者、と呼び、アンダーポイント能力者を、アンダーポイント、と呼ぶ場合が多い。


──蓮沼亮二著『超能力者』より抜粋

作:昌和ロビンソン