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超能力を持つ学生たちの青春を描くWeb小説『プラスチャイルド』のSSや設定などを公開しています。
制作:textscape

2013/03/03

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セーフティースペル

   疑問その3 あの「かけ声」ってなに?


 続いての疑問は能力を発動させた時に口にする例の「かけ声」だ。

 テレビや動画サイトなどで彼等が超能力を使っている映像を見ていて、ふと妙な感覚になったことはないだろうか?

 彼等はその力を使う瞬間、必ず何かしらの言葉を発する。例えば「アウロン」「ダクスウォルフ」「ゲット・レディ?」「マインド・ロケーション」などだ。まるでアニメやマンガ、ゲームにありがちな「技名を宣言してから使う」という行為に見える。特に我々のような年代から見れば、彼等の「かけ声」はそれ以外に見えない。

 だが、あの「かけ声」には重要な意味がある。スターティングコールから数ヶ月後には重大な問題として取りざたされるようになった超能力事故。この事故を防ぐために考案されたのが「セーフティースペル」だ。そう、あの「かけ声」である。

 超能力事故の原因はほとんどのケースが暴発だった。能力者が意図せずに発動させてしまい被害を出してしまうというわけだ。

 そこで能力の発動と同時に特定の言葉を口にするよう習慣づけることで、特定の言葉を発した時にだけ能力を使う感覚を身につけて暴発事故を防ぐ。これが「セーフティースペル」の役割だ。

 さらに補足するとセーフティースペルとして使う特定の言葉は、普段の会話で使うような言葉ではあってはいけない。もし「おはよう」なんて言葉をセーフティースペルにすれば、それこそ毎朝暴発事故を起こしてしまう。

 そこでセーフティースペルに使われる言葉は日常会話で使用されない言葉になる。つまり「アウロン」や「ダクスウォルフ」や「ゲット・レディ?」だ。

 ちょっと話題がそれるかもしれないが、セーフティースペルが考案されたのは、まだまだスターティングコールの混乱が続いていた頃だ。だが超能力事故は世界的な社会問題になっていたため、直ちに導入しなければならない。

 セーフティースペルは「日常会話で使用されない言葉」というルールだけで、それを指定する者も決められていなかった。そのため保護者や託児所の保育士などが考えた言葉だったり、中には本人が決めた場合も多く、非常にバラエティに富んだ言葉がセーフティスペルとして使われることになった。


──すいそう編集部『すいそうムック いまさら聞けない能力者の疑問』より抜粋

作:昌和ロビンソン