pluschild.tips

超能力を持つ学生たちの青春を描くWeb小説『プラスチャイルド』のSSや設定などを公開しています。
制作:textscape

2013/08/02

tips026
路面電車

 日本最南端の高度政令都市・結波市。
 そこに暮らしている超能力者の少年少女たちは、路面電車を主な交通手段としている。

 結波市の都市鉄道・YR(結波鉄道)は、1~3両編成で運行している。そのため、路面電車ではなくライトレールとよぶのが正しいだろう。しかし、結波市の広報や各所の案内において、結波線は『路面電車』と明記されている。そのため、この記事でも路面電車という名称を使っている。

 鉄道というものは、その地域によって路線、車両、運行などが様々だ。鉄道とは交通手段の中でも、最も地域性が高い、と言えるだろう。

 我々、鉄道ファンにとって、この「鉄道の地域性」というのは一つの魅力だ。
 筆者である私も、日本各地の登山鉄道でみられる個性な、路線、車両、運行などは非常に魅力的だと感じる。その魅力は、とても一晩では語り尽くせないくらいだ。

 今回の記事で紹介する『YR』も、高度政令都市という独特の場所で運行されているため、非常に地域性の高いものとなっている。

 説明するまでもないが、結波市で暮らしている者の多くは10代の学生だ。
 当然、自動車や二輪車を所有している者はきわめて少ない。そのため、公共交通機関が主な交通中手段となる。

 さらに、結波市が建設された旧金武町、旧宜野座村、名護市の一部は、広い平地ではなく、高低差のある土地だ。筆者も、結波市には何度か足を運んだが、徒歩や自転車で移動するのは骨が折れると感じた。

 このような立地に対応するために、比較的建設コストの低い路面電車(ライトレール)が公共交通機関として選ばれたわけだ。

(※ 確証がないため、筆者の予想でしかないが、主な交通機関としてバスではなく路面電車を採用したのは、結波市の人口密度の高さにあるのだろう。バスよりも数両編成の路面電車の方が運搬できる人数が多いからだ)

 YRのメインラインは、研究地区、学生地区、アンダーポイント地区を一直線に横断する市道1号線(ルート1)上を走行する中央線。結波市の沿岸をそう市道2号線(ルート2)上を走行する沿岸線だ。

(プチ情報。この二つのメインラインは、学生たちの間で『中央ライン』『センターライン』『ルート1』『メインライン』『オーシャンライン』『ビーチライン』『ルート2』など、様々な名前でよばれているようだ)

 中央線、沿岸線、この二つの路線を軸に、金武線(研究地区)、宜野座線(学生地区)、辺野古線(アンダーポイント地区)などが縦に走っている。これらの路線によって利便性を高めているわけだ。

 YRで運用されている車両は、ヨーロッパの各地で見られるような近代的な車両ではなく、結波市の景観に合ったデザインになっている(車両データの詳細は、別ページにて解説します)。

 そのデザインを一言で説明するのは難しいが、サンフランシスコの路面電車を彷彿とさせると感じた。とはいえ、単に海外の車両を模しただけではなく、ところどころに古い国内の市電特有の形状が見受けられたのは、鉄道ファンの一人として感激してしまった(筆者は、100形とモハ7形の特徴があると感じた)。

 こうした車両のデザインは、結波市の都市計画の一環なのだそうだ。言われてみれば、結波市という都市は南国のリゾート地に似た雰囲気がある。さらに、そこを中央線の赤い車両が優雅に走る──ここが日本であることを忘れてしまいそうな光景だ。

 かくいう筆者も、結波市を訪れるたびに外国に来たのかと感じる一人だ。

記者:高橋良太

──鉄道関連総合情報サイト『鉄マニ』より抜粋


作:昌和ロビンソン