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超能力を持つ学生たちの青春を描くWeb小説『プラスチャイルド』のSSや設定などを公開しています。
制作:textscape

2014/09/26

tips056
日米関係

   現在の日米関係は?

 2028年、現在の日米は長期にわたる友好関係を維持していると言えるだろう。

 依然として貿易収支に両国で様々な論争は尽きず、他国への政治的な相違が度々、問題に上がることはある。最近ではアクアリウム社が生み出す利権が、一方によって不当に搾取されているのではないか? という疑惑が持ち上がり『日米アクアリウム問題』へと発展したが、それも二国間の協議で来年にも再調査が行われることとなり、一応の収束を見せた。

(中略)

 多少の問題はあるものの他の国と比べれば、日米関両国は2000年代から続く協調路線を歩んでおり『良好関係』にあると判断できる。


   超能力研究では唯一無二のパートナー

 特に超能力研究における両国の関係は、強固な結びつきを持つ。
 それは沖縄県の結波高度政令都市(以後、結波市)の存在が如実に表している。

 ヴァリエンティアの留学制度や研究者の交流、日米都市運営委員会の役員構成など、国家間でこれほど密接な関係を持っているのは、世界的にも日本とアメリカだけだ。
 結波市の建設に際して、日本はアメリカからの巨額の支援を受けており、建設計画が始まる2014年頃から両国に超能力研究を共同で行う意向があったのだろう。

 特例とも言える結波市の自治区化は、研究を迅速に進めるためのものだ。またヴァリエンティアの調査、実験だけではなく、彼らへの教育、保護、補償を行う際に必要な手続きを簡略化する目的もある。
 日本と共に、研究パートナーのアメリカも結波市が自治区だと日米都市運営規約の中で公式に認め、保証している。

(中略)

 現在、結波市に交換留学生として訪れているアメリカ国籍のヴァリエンティアは一万人ほどだが、アメリカがこれほど多くのヴァリエンティアを留学させている国は日本だけだ。そして、日本もそれは同じだ。

 施設、人材、そして環境。
 超能力研究における日米の同盟関係が作り出した結波市は、今や世界的な超能力研究の中枢となっている。

 一方、世界を見てみると超法規的都市(日本での高度政令都市のこと)の運営がうまくいっていない例は多い。中には国の財政難から規模の縮小や、他国からの支援を受けなければ存続できないような状態の超法規的都市もあるほどだ。

 ドイツのシュヴァーベン学園都市のような特殊な例を除いて、結波市ほど理想的な運営を続けている都市はなく。世界中から、そのノウハウを学ぶために多くの関係者達が視察に訪れている。

 数年前に来日したイギリス人経済学者のケネス・コールターは「結波市の運営には本当に驚かされた。迅速で的確、そして効果的だ。もちろんアクアリウム社という強力な切り札があったことは確かだが、これは日本とアメリカの友好関係がなければなしえなかった偉業だろう」と、日米関係が結波市の成功に大きく関わっていると明言している。

記者:民江 光春


──NEWS POINT(WEB版)2028年11月22日号より抜粋

作:昌和ロビンソン